ファンファーレと熱狂

これでも喋り足りない

chocolate

「洞口くんってさ、バレンタインデー何か予定あんの?」

 

「あぁ、えっと...あ、バイトですよ」

 

「寂しいねぇ」

 

「シフト入れたの店長ですよ」

 

「いや~、冗談冗談、感謝してるんだよ」

 

「本当に感謝してるなら時給上げてほしいんですけどね」

 

と、最後のセリフだけは口に出さずに僕はフロアに出た。

 

言われなかったら気付かなかった。バレンタインデーにバイトを入れていても何にも思わなくなっていた。

 

高校2年生、華のセブンティーン。青春真っ只中じゃないか。

 

流石にクリスマス、お正月辺りは特に予定が入っていなくてもシフトを入れなかったが、バレンタインデーくらいになるとバレンタインデーが特別なイベントだということを忘れてしまうのか。

 

冒頭の会話はバレンタイン前の本当にあった会話なのだが、何日か経った今、本当にお母さんおばあちゃん、幼馴染以外からチョコを貰えないとは。

 

なんだその去年までは毎年貰ってましたよ的な言い回しは。いやそれが貰っていたんだよ。ということで昔話しましょう。

 

幼稚園。

 

いきなり僕の全盛期の話をしてしまうのは少し勿体無い気もするが、仕方ない。

 

時系列で行くとこうなる。全盛期を人生のクソ序盤に持ってきてしまった自分が悪い。

 

幼稚園が僕の全盛期だったんですよ、知ってました?

 

自分で言うのもなんですが、やはり群を抜いて可愛い。

 

たまに昔のアルバムとかを整理してる時に出てくる幼少期の僕の写真を見るけど、可愛い。

 

本当にその頃子役とかになっとけば今頃アイドルとも共演できたんじゃ無いんですかね。

 

無いですね。

 

で。

 

まぁ、可愛い僕は女の子にモテモテだったわけで、まんざらでもない僕、というか女の子が大好きだった僕はそういったチヤホヤしてくれる女の子に対していわゆる神対応だったわけです。

 

そりゃあバレンタインデーの人気も半端ないっすよ。

 

当時1番仲良かったお友達もカッコよくてモテモテでして、その2人で組の女の子を牛耳ってましたよ、余裕で。

 

毎年毎年2桁は余裕で持って帰るので食べるのが大変でしたよ、そこまでの記憶無いですけど。

 

本当に幼稚園はモテモテでこれは嘘ではないので僕の母にでも聞いてください。

 

だからこそですよね。

 

小学校に入ってビックリしました。

 

今まで当然だと思っていた女の子からのチョコレートが無いんですもの。

 

1年前は何個も貰っていたものが急に1個も貰えなくなる悲しみあなた達に分かりますか。

 

もう、可愛くなかったんですね。

 

それが4年続きまして、やっと小学5年生の時にPanasonic主催のロープジャンプの大会に出た僕はチームの女の子にチョコを貰いました。もとい配られました。

 

配られたチョコでもめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えていますよ。

 

と、ここまではほぼ前座。

 

大事なのは小6のバレンタインデーです。

 

この話がしたかっただけのブログでございます。

 

私のブログに何度登場しているのか分からない、小6~中3までずっと好きだったMちゃん。

 

僕はね、今日も君の話をするよ。

 

ずっとずっと忘れないからね。

 

ずっと。

 

こわい。

 

今となっては確実に伝説級の話なんですけど、その子と毎日のようにネットを使って何時間もお話をしていて。

 

両想いではあったんです。これは本当に伝説だから母にでも聞いてください。

 

バレンタインデーが近づくと自然にその話にはなるじゃないですか。

 

「欲しいですか?」←聞き方が可愛すぎる

 

「めちゃくちゃ欲しいに決まってる」←単純

 

ドッキドキですよ。

 

当日。

 

学校では一応チョコを持ってくるのは禁止になっていて、それでも隠れてコソコソ持ってくるのが当たり前なんですけど、真面目で律儀な彼女は学校には持ってこなかったんですね。

 

てかよく良く考えればいつどこで渡すかとか話してなくて、俺バカだから、小6俺すげぇバカだから、放課後も普通に近所で友達とバスケしてたんですよ。

 

その日の夜普段通りにアメーバピグにログインして彼女を待っていると。

 

「いますか?」聞き方可愛いAnother Ver.

 

「どうした?」←「どうした?」じゃねぇよバカ。

 

「あの、チョコ...」←この世で1番可愛い「チョコ」出ました。

 

「ね、どうしよっかw」←笑うなバカ。

 

「家行きました...」

 

ん???ん??るん???ん????

 

そうなんですよ、バカな小6俺がバスケしてる時に彼女家に来てくれたんですよ!!!やばくないですか???

 

あの控えめで男の子とは会話するのも苦手な彼女が、僕の!家まで!来たんですよ!!!!おーーーーーーい!!!!

 

ほんっとバカァ。

 

全力で謝罪しましたよね。

 

しょうがないので後日僕が彼女の家まで取りに行くことに。

 

密会。

 

これが密会か。

 

休日に2人で会う。これはもう付き合ってる。

 

童貞の僕はそう思う。

 

ホワイトデーも彼女と2人で。

 

今考えたら死んでもいいですよね。

 

めちゃくちゃ可愛いんですもん。

 

今でも思いますよ、本当に1番可愛かった。みんなに聞いてもそうでしょうよ。

 

僕はねあの時の彼女のセリフ忘れません。

 

「来年もお互い彼女と彼氏いなかったらあげます」

 

なんて可愛いんだ。

 

そして、1年後条件は揃っていたはずなのに貰えなかったぞ。どういうことだ。

 

中学校の頃は女の子の友達も増えたり、何故か特定の人に執拗にモテたりがあったのでバレンタイン貰えましたけど。

 

やっぱり小6のバレンタインを超える出来事は無いですよね。

 

増してや今年は何も無かったですからね。

 

はぁ、彼女にまた会いたい話でした。

 

 

ということでね話をいきなり終わりにしたのは、あと1時間で伊藤万理華さんの誕生日になるからですよ。またな。