ファンファーレと熱狂

これでも喋り足りない

新しいスニーカー

大丈夫。大丈夫だ、今日は明るいぞ。

 

!を付ける程でもないが勢いもある。

 

彼女に会ってきた。

 

彼女というのは、僕が1番好きだったという彼女だ。

 

最低な会い方をしたけれど、それでもあってよかったと思っている。

 

僕の1番の女友達は、春まで彼女と同じマンションに住んでいた。小学生から同じ吹奏楽部だったので必然的に仲が良く、今回はシンプルにそのつながりを利用してしまった。

 

僕とその女友達の話題といえば、7割は好きだった子の話で、その流れから僕とその子を会わせたくなったらしく今回ゴールデンウィークで帰省している彼女と会う日に僕を呼ぶということになった。

 

直会いたかった。

 

ずっと会いたかったけれど、会えなかった。会う理由も無ければ、会いたいと言える間柄では無かった。

 

この話が出た時に、色々思うことがあって気付いたら「もし良かったらであれば、僕も呼んでいただけないか彼女に伝えて貰えませんか?」と友達にLINEしていた。

 

会えば何か変えられると思っていた。

 

それくらい僕の中で大きな存在、忘れたことなどない。

 

僕の人生を作り上げた3人がいる。どんな時でも僕の中に居て、寄り添って考え方を正してくれた存在だ。

 

兄、中学の顧問の先生、1番好きだった彼女。

 

起きてからずっと、会えると思っていた。

 

てっきり、僕と会うことを既に伝えてくれているものだと思ったが、そうでは無かった。

 

友達と彼女は家族ぐるみの付き合いで一緒にご飯を食べたらしい。

 

そこで自然と、そしてノリで近くに居た僕を呼ぶという作戦。

 

そうか、少し勘違いしていたが当たり前だ。そもそもちゃんと約束をして僕と彼女が会うということは大人数のクラス会なんかじゃない限り有り得なかった。

 

僕だけが彼女に勝手に依存しているだけで彼女は僕をなんとも思っていない。

 

でも僕の友達は、そんな近くて遠い僕らを、僕の自分勝手を受け入れ、最大の友人に嘘をついてまで僕に付き合ってくれた。

 

電話口、わざとらしい僕と友人の演技。

 

たまたまノリで近くにいたからという設定を守る僕らの演技は、お世辞にも上手とは言えない、正直僕の好きになった彼女なら仕組んだことであると見抜いていただろう。

 

でも彼女はそれを指摘はしなかった。僕も友人がここまでしてくれているのに、これが演技だなんてバラしてはいけないと思った。

 

そしてそれよりも彼女が僕の目の前に居ることが嬉しかった。

 

最初は少し緊張した、わざと笑いを取りに行ったりもした。

 

そしてそれと同時に僕達。いや、彼女が成長しているのも感じた。

 

話す時はしっかりと僕の目を見てくれている。

 

気を抜いたらずっと見つめてしまいそうで目を逸らした。

 

今までの自分じゃ話せなかったような、自分の中の暗い部分、抱えている不安を本音で話した。

 

こんな面白くないやつの話をちゃんと聞いてくれていた。

 

そして彼女が何故今の進路を選んだのかも聞いた。もっと彼女のことを聞きたかった。

 

ずっと一緒に居たかった。

 

ずっと好きだったと言いそうになった。

 

でもそれだけは絶対に言ってはいけないと、みんな分かっていた。

 

僕の話で彼女が笑ってくれるだけで、救われる。でも、彼女が僕の話すことよりも、他の人の話で、しかも俺がずっと尊敬してジェラシーを抱いていた奴の話で笑っているのを見て、悔しくもなった。

 

小さい身体、可愛らしい声、大きな瞳、なのに何故君はそんなに強いんだ?

 

僕は弱い彼女を知らない。知ることは無い。

 

本音を言えばね、僕はこの時が永遠だったら良いのにと思うし、明日も明後日も会いたいし、弱い君に甘えて欲しいんだ。

 

グッと堪え、雲一つない空に星を見つけたふりをした。

 

もう好きじゃないよ。

 

でも笑っていてね。

 

陽に当たって、自分への投資を忘れないで。たまに帰ってきて、友達に会って。僕と会うことはないかもしれないけど、たまには思い出して。

 

馬鹿だから誕生日くらい覚えててもらえてると思った。

 

何年も経って成長していると思ったのに、僕は全然大人になれていないし、面白くもなってなかったな。

 

してよかった話、しなくてよかった話。

 

正直平成とか令和とかに重ねて自分の人生に区切りを付けるのは好きじゃないけど、節目に良い時間を過ごせた。

 

これはこじつけだけど、今日新しい靴を買った。

 

新しい1歩を踏み出そう。

 

思ったことを殴り書いた。もう本当に文章ではない。